大寒の頃/田中教平
く見て見ると、とおくの方に白い猫がいた。体は大きいのだが、どうやら脚を痛めているようで、その順番待ちに加わるのも億劫そうだった。
ユウスケはいつまでもいつまでも、その状況を眺めていたが、なかなかその白い猫の順番がまわってくる気配が無い。
そこにカナが帰ってきた。
「おい、カナちゃん、観てみろよ、猫ちゃんがいるよ」
と、その状況を見るようにユウスケが誘うと
「猫ちゃん?いつもいるじゃない、いい、いい、陽が強いし、肌が焼ける」
と返した。このときユウスケはとなりの庭に猫がいることが日常の光景であることを知った。
「白猫ちゃん、いるでしょ?脚の悪い」
「うん、一番とおくで餌の皿眺めて
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