大寒の頃/田中教平
駄目、見ないで」
と言われてしまい、つまらなくなってきびすを返すと、風呂を沸かした。そうして、ユウスケ自身は、睡眠薬を飲みこみ、床についた。
カナが眠るのは大抵、ユウスケの眠った後であったが、朝起きるのはカナの方が早かった。そうして起きると、どんどん家事をこなしてゆく。カナは家事効率を重視する女であった。
時刻は朝の六時になった。カナはとっくに起きていて、朝食の支度に、洗濯物、ユウスケに出しにいかせるゴミの準備を済ませてしまっていた。
加えてカナは美容に凝る女であって、洗顔から顔のシミ、ソバカスのチェックから、保湿クリームを塗る所まで、それは時間をかけて行った。
それが済んでしま
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