Biometrics/ホロウ・シカエルボク
 

血の配列を疑い始めたのがいつごろからなのか思い出せない、あまりまともなきっかけじゃなかったかもしれない、古い手紙を読み返すように記憶を辿ったところで、きっとそのころのことを上手く語ることなど出来やしないだろう、地獄の釜に手を突っ込んで手応えを探すような作業だった、その頃果てしなくばらまいた詩篇のことはいまじゃ思い出すことも無い、目指すものが変わった、目指す場所が変わった、誤解を恐れずに言うなら、それはもっと無邪気な理由になった、とてもとてもパーソナルなものになったということだ、本来文章というのはそういうものだ、写経と同じさ、手書きの百枚とプリンターでコピーした百枚じゃまるで意味合いが違う、魂は
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