河童伝・第一話「河童三郎譚」/板谷みきょう
 
いるようでもある。

「……皿、返してくれぇ。」

翌日から、村の災いは形を変えました。

水は引いたものの、獲れた魚は腹を上にして浮かび、井戸水は濁り、夜になると川辺に立つ影が増えたのです。

ついに村は、河童と話をつけることになりました。

選ばれたのは、口の利ける若者一人。夜明け前、川へ向かわせると、霧の向こうから、ぬうっと姿を現したのが……河童三郎でございました。

三郎は、人ほどの背丈もなく、獣ほどの荒々しさもなく、ただ、どちらにも属さぬ顔をしておりました。頭の皿はひび割れ、そこから水がこぼれ落ちていた。

「……村が欲張った。」

三郎は、そう言ったと申
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