メモ3(今のこと、音楽、人間のこと)/由比良 倖
 
にたいばかりで、年齢を数えるのもやめてしまった。僕は、少しずつ磨り減って行った訳ではないし、時間をかけてじわじわと回復してきた訳でもない。人は……と、一般論的に言うのだけど、……あっという間に悪くなるし、かと思えば、急に回復した自分を発見する。ふと、おかしいと思う。するとその奇妙な、常識的な世界とのずれは、ものすごい速さでどんどん自分を浸食する。気付くと、常識的に生きるってどういうことなのか、全然分からなくなっている。治るときは逆で、ふと楽しいと思う。そしてこれが本来の心だ、と思う。本来の自分を取り戻そうと焦りながら、何もかもをまた見失ったりしながら、少しずつ少しずつ、自分がまともだと思える時間が
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