メモ3(今のこと、音楽、人間のこと)/由比良 倖
その大部分は、虚無と恐怖で出来ている。誰もがきっと、どうしようもなく傷付いた過去を抱えたままで生きている。それは理解されず、また安易に理解されたり納得されたりすることを、誰もが拒んでもいる。
過去は自分にだけ刺さる棘のようなもの。過去の重さや、今の自分のどうしようもなさに、耐えきれずに自殺する人たち。弱っている人たちに向けて強者は決まって「自業自得だ」と言う。お前が駄目なのも、弱いのも、痛いのも苦しいのも皆、自分で選んだことなのだ、と。辛い人が辛いと言うことは疎まれる。誰も他人の辛さなんて見たくない。自分自身で立ち直らない人間は屑のままだと言われる。
じゃあ調子がいい人は、自分の調子を
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