メモ3(今のこと、音楽、人間のこと)/由比良 倖
 
階的に明るくなったり暗くなったりするのだけど、あまりに細かく光度が変化するので、人間の脳には、太陽の光が段々翳っていくのが、がたがたと段階的に暗くなっていくようには見えないだけなのらしい。紙の本を、原子や電子や素粒子の集まりとして見る人はいない。ましてや、隙間だらけどころか、実際には本なんて存在していなくて、ただの紐状のエネルギーの集まりだとか、私たちがそれを本と認識したときだけ、本は本として存在するとか、そんなことをいちいち考えながら本を手に取る人はほぼいない。感情が世界を具現化し、感情が捉えないものは最初から、少なくとも個人としての人間には存在しない。僕が僕を感じるとき、僕は存在するし、僕が世
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