崩壊/森 真察人
不毛の果ての楽土に
崩壊する一陣の青い風
それはかつて私の鳩尾で
搏動し 鼻腔を通って吹き出で
あらゆる通行人の
喘息にも似た溜息を巻き込み
その土地へと闖入していったのだが
aともαともつかぬ
薄青い微笑を描いて爆ぜていった
荒廃の先の田園に
絶命する一音の赤い旋律
それはかつて私の頭蓋で
渦動し 耳道を通って吹き出で
停留所の少女たちの
口笛をひとつずつ巻き込み
その土地へと這入っていったのだが
zともωともつかぬ
薄赤い啼き声を放(ひ)り出して散っていった
私が一息を吹けば
散りゆく巻雲のように
鉄塔が斃れる夜
鉄塊を踏みにじりながら私
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