詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
この役割は、短歌の創造性を否定するものではないが、その影響力のあり方を、一定の方向へと規定してきたことは否定できない。
短歌の制度的中心性を確認することは、他の詩歌ジャンルを周縁化する意図からではなく、日本における詩的言語の配置全体を理解するための前提である。次章では、この中心とは異なる形で制度化された俳句のあり方を検討する。
3.俳句:集団化された詩的実践
俳句は、日本の詩歌ジャンルの中でも、最も広範な実践人口を持つ表現形式の一つである。その特徴は、十七音という極端に短い定型と、結社や句会を基盤とした集団的な実践形態にある。俳句は、個人の内面表現というよりも、むしろ共同
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