詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
ないという事実は、その価値を否定するものではなく、役割の違いを示しているにすぎない。
現代詩をこのように捉えることで、次章で論じる「影響力の移動」は、詩の衰退論ではなく、詩的言語が別の文化領域へと展開している現象として理解することが可能となる。
5.影響力の移動:詩的言語はどこへ行ったか
前章までで見てきたように、短歌・俳句・現代詩は、それぞれ異なる制度的配置のもとで詩的言語を担ってきた。しかし、かつてこれらのジャンルが共有していた社会的影響力は、現在では必ずしも詩壇の内部にとどまっていない。本章では、詩的言語の影響力がどのような領域へと移動しているのかを検討する。
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