詩は衰退したのではなく、移動した――日本詩歌ジャンルの制度と影響力/atsuchan69
近年、詩的な言語が強い影響力を持つ場として注目されるのが、音楽、とりわけポピュラー音楽の歌詞である。反復されるフレーズ、明確なリズム、象徴的な言い回しは、伝統的な詩歌と同様に感情を喚起し、共有可能な経験を形成する。ラップやヒップホップにおいては、言語そのものがリズムと結びつき、社会的現実への批評として機能する例も少なくない。
また、マンガやアニメ、ドラマといった物語メディアにおける台詞も、現代における詩的言語の重要な担い手となっている。印象的な台詞やモノローグは、作品の文脈を超えて引用され、共有され、時に社会的な感情や価値観を言語化する役割を果たす。これらの言語表現は、定型詩ではな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)