わからない、だろうが/あらい
 
がした

 キャンドルのあかりが暁光まで眠っていたわけではなかった
 しかし、どうしてそうおもったかわからないまま
 それだけの このあいだも 雨は降り続いていました

 きっと朝ぼらけは急き込む、空蝉。暗幕といえば何度忌だろうか。なにかを求めているように醒めた感覚は立ちあがり、その細長い手足で、正体は掴めない。裂けた隙間から零れ堕ちた値が瞼を焼き、喉仏の(声にならない)私を串(つらぬ)く
 ゆめだった、消え去るよりも侭、ハッとした恐怖でしたか。こう舌の上にしがみつく苦渋。じっとりとした体表が丸め込まれぎょっとした仕種で取り混まれて逃げられそうもなく。ただ、域を呑み、うんざりし
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