私たちは、いったい誰のために貧しいのか? /atsuchan69
く。その一方で、復興や再建の名のもとに、特定の企業や資本に新たな利益機会が生まれる。焼け野原は悲劇であると同時に、誰かにとっては巨大なビジネスチャンスでもある。
SNS時代になって、この構図は終わるどころか、むしろ巧妙に延命している。テレビや新聞が作った単純なフレーズは切り取られ、拡散され、アルゴリズムによって増幅される。感情を刺激する言説ほど広まりやすく、複雑な構造分析は届きにくい。
この過程で目立つのが、いわゆるネット上の「工作員」の存在だ。必ずしも組織的な陰謀を想定する必要はない。外敵や危機を強調し、分配や構造の話を「非現実的」「空気が読めない」と切り捨てる言説が、半ば自動的に量
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