詩作三部作/這 いずる
・種・
言葉がわらって弾けて
青い波しぶきに似た眩しさ、私のものと違う。じっと我慢して、じっと耐えて、私の容れ物が耐えられなくなる頃に、心の柔らかいところから 割いて生まれる、血濡れた刃が、言葉、になってしまうのに。言葉がわらって弾けて、陽だまりにくつろぐ猫の自由な毛並みの柔らかさは私のものと違う。私と違う。私のものと違う。 私は刃から血を滴らせ、振り回しながら、叫び、泣き喚き、地に額をつけて懇願してそんな自分にずっと傷ついているのに、どうしてどうしておまえらだけは綺麗な目に鱗粉を振りまいている、憎らしくて、羨ましい
・比較・
クスクスわらって弾ける
青い波しぶきに似ている
眩
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)