詩作三部作/這 いずる
 

眩しさを伴う
これが、言葉か
私のと違う

じっと我慢して
じっと耐えて
私の容れ物が破裂する前に
心の柔らかいところから
割いて生まれる
血濡れた抜き身の刃が
言葉のはずだったのに

クスクスわらって弾けて
陽だまりにくつろぐ
猫の自由な毛並みの柔らかさを
まじまじと見て
私のものと違う

刃から血を滴らせ
生まれてしまった!と嘆き
なりふり構わず振り回して
叫び、泣き喚き
どうしてを繰り返し繰り返し叩きつけ
地に額をこすりつけ懇願し救いを待つ
そんな自分が惨めったらしくて
ずっと傷ついて
泣きながらペンを握る

私を幸せにしない
幸せ
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