彼女はエリンギ中毒/あおば
 
という
写真を眺めたら
見慣れた
お馴染みのすがたかたちで
笊の中に
鎮座している姿は
やはり神々しい

季節の変わり目
椎茸が高いとき
スーパーの目玉商品になろうが
肉の代用に
ハンバーグの
増量剤として使われようが
中毒する心配はないようだ
そのへんがおもしろくない
むしろ
中毒するほど食べた女性は
エリンギ教の教祖として
神懸かりを得て
身も爽やかに
気懸かりなことを咀嚼することなく
溶かして身体中に吸い取って
いい味を出して
誰からも敬われず
苦にもされず
そういうエリンギ的な
素朴な
存在になっている
そのような
惚けた毒素が有
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