Nostomania/あらい
 
ラが波打つ施術は光にもろく墨は漂い、風紋を含んだ じれったい空。ほんとうとは、しろく、ありのままに撚ってできた ささくれの雲。それぞれ、あるくたびに/浮いたり沈んだり(その気配だ。)
 なによりも――ようこそ「ノ肚へ。」
 ほのかな機械音がこのユウガタ。舌の先に広がり口内にひそかに残る。繊細な夢の元で。ただ欺こうとする脊髄を通る定刻発車に、身得ない時間と言い淀んで、わぁと乗る。
 なんどもなんども醒めないなか、
 過ぎ去りし飛空船から。
 複雑な秩序が質感を保ちながらも混在したパラレルにどこへ開こうが
〈とこしえ、なんて 似ている、一瞬だ〉
 けれど未だ会話を遮っては、風が白痴を生じ
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