土の中に種を見つけることからそれは始まる/ホロウ・シカエルボク
はすべて記憶することが出来るんだ、肉体を持っているときよりもずっと確実に、鮮明にね、そうして生まれて来たことを俺はきっと、生まれて間もない頃の死の予感の中で感じ続けたんだろうな、あの時にきっと何かを見たんだ、誰かが後ろから俺の肩を抱いて、耳元で何かを囁いたのさ、この世の理を、そのすべてをね、俺はきっとそれを思い出そうとして生き続けているのさ、どんな局面になっても俺が次を選び続けるのはきっとそんな理由からなんだ、お高くとまりたくてこんなことを続けているんじゃない、俺の内奥は飢え続けている、常に刺激を求めている、整理整頓された生半可なものなんかじゃない、剥き出しのものさ、魂に直接語りかけて来るくらいの
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