正風亭第二幕/武下愛
まいます。本能と知能の違いをまざまざと見せつけられます。まだ本格的な冬ではありませんので、こけた葉がほそぼそと、冬風に揺れ、かさかさと笑っていると感じ、目で見ても冬の訪れを感じさせます。それにしても寒いですね。若くて青かった葉は赤く燃え冬の風に吹かれて散って枯れ始めています、銀杏の葉は悼むように枯れています。地に落ちて乱雑に散らばっていてはかわいそうでしょうに。そのままでも美しいと仰る方もいらっしゃいます。ですが、人も葉も手心を加える事で更に美しさが増します。女によっては心配り《見た目、行動を、場面によって変えなくては生きていけない》です。一葉、二葉と枯葉が、落ちたくないと切望する様に、はらはら地
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)