正風亭第二幕/武下愛
ら地面に落ちていかれます。人が苦を感じて混乱したまま転がり落ちる様で、心臓がキュッと掴まれました。心も痛みます。時計の様に思い巡らせながら、枯れ葉を拾い思います。
淡く息吹く初春へ思い馳せます。梅の枝にはまだ若い葉、夏になれば色濃くなる葉、既に色々な色の花を咲かせ、二週間程で、散ってしまいます。人は梅の咲く姿で桜がもうすぐ咲くと仰います。私は梅が覚えていてほしそうに花を散らすのでしょう。私の吐息がまだ白い初春ですが、恋心を伝えるか悩んでいました。豪雪で溶岩が冷える事はございません。咲き誇る花が、大丈夫と語りかけてくるようでした。梅よ実を結ばせてほしい。降り出した雨は色がありませんでした、放っ
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