正風亭第二幕/武下愛
ゆらりふわりと浮かび透ける淡い桃色が雲になって雨が降り続けて青春している私です。青春が終わるのか分からないのです。終われとも終わるなとも思わないのです。春にしかいらっしゃらない御客様へ思い馳せます。あの方は様々なお酒が好きでを良いつまみは、私が作った濃い味の料理を食べられる、飲兵衛さんですので。心身壊さずに居て戴きたいものです。時代が移ろっても、移ろわないでしょう。
外側から圧されるような暑さを感じる夏へ思い馳せます。下を向いて咲いていた向日葵がとても印象的な夏。黄色く咲いた花は泣いているようです。ほとり、ほちりと。美しいまま種を落としていく、枯れて土に還ります。枯れ始めた時の胸の痛みは、私
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