正風亭第二幕/武下愛
私は木陰に揺れる冬陽を見つめ、冬が訪れ始めた空をだんだん見上げていきます。水色が見上げるにつれて青色から、蒼穹そうきゅう。雲一つ無いですね。すぅーっと吸い込み吐き出した空気が冷たく突き刺さる空気が肺を満たして芯からさましていきます。二十年以上共に過ごし、変わりましたね。名称では無く、名前を名付ける事から始まりましたね。庭先に在るある背丈の違う、地面にしっかりと根を張る四季折々の木々を見つめます。空に映える木も在れば、まだ思春期を迎えた男の子位の背丈の木も在ります。人と違う所は、木は死ぬまで花を咲かせ、様々な顔を四季で拝見させて頂ける所です。人様は知能が有るゆえ苦悩の渦中で、ときさえも、とめてしまい
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