異世界ものについて/足立らどみ
 
のテンプレが強いからだけではありません。
むしろ、人々の感覚のほうが“異世界的構造”に馴染んでしまったからです。

ネット空間は、地続きの現実とは違う法則で動く場所です。
身体の気配は薄れ、時間の流れは早く、関係の深みは浅く、しかし言葉だけが異様に増幅される。
この意味で、ネットはすでに「異世界」の要件を満たしています。
? 匿名性 → 名前のない世界
? 文脈の断絶 → 宿命も過去もない世界
? 言葉の優位 → 魔法のような世界
? 現実より軽い死と復活(アカウントの生死)
? 自分を“作り直せる”キャラクリ要素

物語の異世界がネットを模倣しているのではなく、
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