それが俺が耳にした歌なら/ホロウ・シカエルボク
いが生じてはならない、スピードの中でどちらにハンドル切るのか、身体が感じるままに動かなければならない、それをすることが出来て初めてスタートラインに立つことが出来る、オフロードレースみたいなものだ、路面は安定していない、一瞬の迷いでその日のゴールを見失ってしまうかもしれない、正しいラインが幾つあるのかはわからない、そしてそのラインのひとつひとつは綱渡りのように細い、一度コースアウトしたらもうそこに戻ることは出来ない、あらゆる感覚が必要とされる、語感は勿論、それ以上の―第六感とでもいうのか、それとももっと何か、生命が生命たる由縁とでもいうような何か、俺は時々、こうしてキーボードを延々と打ち込んでいる時
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