それが俺が耳にした歌なら/ホロウ・シカエルボク
る時に、自分が人格を飛び越えていると感じることがある、もちろんこうしたものの一切は自分が刻んできた人生の中からチョイスされているものだが、そこに私見というものが存在していないと感じる瞬間が度々あるのだ、自分でありながら自分でないような何か、個人的感情ではなく魂の機関として、情報を処理し続けている何か、そういったものが言葉を発していると…そうしたことを繰り返していると日常と自分自身とはより大きく乖離していく、その落差に恐れ戦きながら俺は明日も目が覚めるだろう、そしてその恐れはこの自分自身が生み出し続けているという事実にウンザリしながら、また新しい迷路へと潜り込んでいくのだ、混沌の中に居なければ安心出来なくなった、なあ、もしかしたらこの人間という生きもののうちのある種の連中は、そうした環境だけを好んで生き急ぎ続けるのかもしれないぜ。
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