全行引用による自伝詩。 09/田中宏輔2
(これらの用語はすべてあてはまる)。その中には、まだ生まれてもいなければ考えもされないすべてのものがあり、また、あらゆる疑似存在とおぞましい怪物がある。また、むかし高く放たれたのに、勢いの衰えた矢もある。光のあるところへたどりつけず、思考になりそこなった矢だ。落下した矢は折れてしまったが、溶けたかたちでさえ、その矢柄にはまだアイデアの貫通力が残っている。
(R・A・ラファティ『泉が干あがったとき』浅倉久志訳)
(…)だが諸君が一番理解できないのは、私は人格になることもできるのに、どうしたらそれを諦められるのかということである。その問いには答えることができる。個人になるためには、私は知的に堕
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