血は流れ続けながらすべてを飲み込む/ホロウ・シカエルボク
て行くこともなさそうなのでまあ好きにすればいいさと放っておいた、それはずっと同じリズムで揺れ続けた、食事をしている時も、便所に居る時も、シャワーを浴びてる時もずっとだ、でもその後に続くものは何も無かった、目を回してぶっ倒れるとか、喀血するとか、だから俺は気にしないことにした、多分どこかのネジが少し緩んでるといったような細やかなバグなのだろう、不思議なもので長時間付き合っているとそれほど気にもならなくなる、俺はいつの間にかそれを感じつつも忘れ始めていた、夜の街路は中途半端な狂気で溢れていた、決して世界の外に飛び出すことのない狂気、自分は他のやつらとは違うんだと過剰に演出したがるのは、その実自分の中に
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