血は流れ続けながらすべてを飲み込む/ホロウ・シカエルボク
 
中に何も無いことを知っているからに他ならない、髪型やピアス、タトゥーや派手なファッション、借りて来たみたいな人生訓、馬鹿でかい声、けたたましい靴音、俺にはそんな光景のすべてが高校生のクラスルームに見える、真面目ごっこ、不良ごっこ、ノーマルごっこ、奇人ごっこ、すべてがごっこの範疇なのさ、誰かがパンと手を叩けば覚める夢みたいなものだ、でも街中を闊歩するこんな連中には、手を叩いて目を覚まさせてくれる誰かが一人も居なかったのだろう、綺麗に着飾ってもストレートネックじゃ、勘違いした年寄にしか見えないというものだ、あと何年かすればこいつらの内の何人かも、二着で幾らのスーツを着て大人ごっこをしているかもしれない
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