月光/秋葉竹
月の涙をみた
あまり関心は無かったけど
ふとみあげると痛々しかった
守ってあげたくなった
なにを為すこともできないのだけれども
クマを撃つ銃声が朝っぱらのテレビから
バンバンと聴こえるよ
彷徨って獣はなにを想い生き、死に
ひとはなにを想って秋に彷徨っているのか
犠牲はあまりにも大きく
悲しみは何処までも広がる
夜の傷を舐めて
私も悲しみのカラスになるのか
初めて命を心細い糸だと想った
そのとき突然、命を大切に想った
夏は雲に乗り、去り
秋は冬の匂いをさせて急にやって来た
まるで朝にはブラックコーヒーを
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