少女とそして   もっぷ/エヴァル−ジュ
 
うずくまっているので


その傍らに  スミレの苗を置いた

少女は驚いたようにも
 
気づかないようにも

自在に

苗を抱きしめて帰っていった    夢の中へ

少女と神様

言葉をしまって

寄り添って 一緒に泣いた

愛  と言う名のリンゴを一つ  手渡すべきだったと

九月十八日

言わないでねと頼んで生きてきた

あちらこちらに白旗を置いて


逃げながらも逃げずに


あの子が笑う

あの子が泣く

あるいは

また 泣く

天秤は正しく傾き

涙に軍配をくれて



理由たちが競って飛び込む私
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