全行引用による自伝詩。 06/田中宏輔2
 
出したのは、この無意識であったにちがいない。初めてかれは理解した。真に理解した。脳から足の先までの、体中の細胞で理解した。リヴィは変ってしまったと。
(フィリップ・ホセ・ファーマー『わが夢のリバーボート』26、岡部宏之訳)

そして私もそのひとつなのだ。
(ダン・シモンズ『イヴァソンの穴』柿沼瑛子訳)

 非常に残酷で、非常に正しい人生の法則があって、人間は成長しなければならぬ、でなかったら、もとのままでとどまることにたいして、いっそう多くの代価を払わなければならぬ、と要求するからである。
(ノーマン・メイラー『鹿の園』第五部・26、山西英一訳)

そこでは、だれも未来がなかった
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