全行引用による自伝詩。 06/田中宏輔2
酒井昭伸訳)
「それでは、いったい何の目的でこの世界はつくられたのでしょう」とカンディードはいった。
「われわれをきちがいにするためにですよ」とマルチンは答えた。
(ヴォルテール『カンディード』第二十一章、吉村正一郎訳)
彼にとって、ただ一つ変わらぬものは変化そのものであり、彼が周囲の世界で発見した変化の機序は彼自身の存在に反映していた。彼が次々に自分の役割を変え、次々に女を替えていったのは、そのためだった。
(ブライアン・オールディス『十億年の宴』5、小隅 黎訳)
ある神秘主義者は旅によって、またある神秘主義者は一室にとどまることによって、神を探し求める。
(フィリ
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