町と街/ねことら
 

薄く白みがかった雲という雲の覆った、町でした、
ここはとても広く、狭く、
町と町は記号的に隔てられているだけだから、それは町という単位で、
あるいはそれぞれが固有の生き物のように、存在している町でした、
町には僕や君が住んでいて、あるいは住んでいなくて、
10月という秋は、始まりかけているのか、
始まりを終えようとしているのか、
すべらかで透明な乾燥を幾重ものレイヤーで、
町に、町々に、輪郭はくっきり彩られていくのでした


こうして町に暮らして、
平日には仕事などをして、あるいはしなくて、
休日には仕事をしなくて、あるいはたまに仕事などをして、
固有の単位のように
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