【わが短歌・俳句入門】<俵万智>/藤原 実
 
)という(作者自選の)アンソロジーから両先生と俵さんの歌をそれぞれの最後に置かれているのを引用すると


けだもののかよへる道のやさしさを故郷として人をおもへり   登志夫
今ならばさうも言へるが日没が言葉をころすときの重たさ    隆
「もし」という言葉のうつろ人生はあなたに一度わたしに一度  万智


というわけで両先生の歌も通俗です。
もってまわっていないぶんだけ万智さんの歌の方が好ましいのではないですか。
こうみてみると、これはあくまでもシロートの考えかもしれないけれど、短歌というのはどっちみち通俗な文学なのではないだろうか、とさえ思ってしまいます。


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