全行引用による自伝詩。 05/田中宏輔2
 
は、これまで一度も暖炉の火をつけたこともなければ、暗がりに浮かびあがる家具がほほえみかけてもくれないし、だれも涙を流さず、だれも嘘をつかない場所だった。
(ウィリアム・トレヴァー『テーブル』若島 正訳)

 あきらめることができたら、きっと目が開かれて、しあわせになれる。くよくよしないで。まだ若いし、何年か苦しんだって損はしないさ。若さっていうのは、すぐ治る病気なんだ。ちがうかい?
(コードウェイナー・スミス『宝石の惑星』4、伊藤典夫訳)

エンダーには、そんな場所を自分の中にみつけることができなかった。
(オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』4、野口幸夫訳)

 もし
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