全行引用による自伝詩。 05/田中宏輔2
 
ある。
(サバト『英雄たちと墓』第?部・2、安藤哲行訳)

牛についてなにを知っている?
(デニス・ダンヴァーズ『天界を翔ける夢』8、川副智子訳)

馬鹿な牛たちとは
(マイクル・スワンウィック『大潮の道』9、小川 隆訳)

神聖な牛だ。
(グレッグ・ベア『斜線都市』下巻・第三次サーチ結果・21/、冬川 亘訳)

うるわしき雌牛たちよ!
(イアン・ワトスン『我が魂は金魚鉢の中を泳ぎ』美嚢 透訳)

沈黙がつまりは正式な自白になる瞬間を待ちうけていた。
(マルセル・エイメ『パリ横断』中村真一郎訳)

 夕闇がせまっていることに彼は気づいた。そして帰ってきた自宅は、
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