強い草はどこにでも生える/ホロウ・シカエルボク
 
も出来るようにならなければ、一生成長というものを手にすることはない、雨が降り始めた、降っていいのかと探るように、囁くように降り始めて、次第に勢いを増していった、天気予報で必ず降ると報じられていても傘を持とうとしない連中が雨宿りできる場所を探している、先月までなら一階が駐車場になっている大きなビルがあったけれど、それはもうシャッターを閉じてしまった、夜以外はいつでも開いていたものがきっちりと閉じられていると、ああほんとになにかが完全に終わってしまったのだという気持ちでいっぱいになる、ブコウスキーのハードカバーを読みながら雨が止むのを待つ、雨が止むまでは動いちゃいけない気がした、きっと、雨の描写をして
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