強い草はどこにでも生える/ホロウ・シカエルボク
 
してしまうことに興味が無かったのだろう、今日の雨は随分と気紛れのようだ、さーっと降り始めたかと思えば気が付くと止んでいる、もう降っていないのかと思って外に出てみると音も無く細く降り続いていたりする、そういう雨は濡れても気にならない、だからたいていの人間が傘を持たずに歩いてしまう、彼らはきっとずぶ濡れになって風邪を引いたときくらいしか後悔というものをしないのだろう、別に天気なんてどんなものでもいいけれど洗濯が出来ないのは困りものだ、汚れ仕事くらいしか出来ることがない俺にとっては面倒な問題だ、数年前に出来たコインランドリーがすぐ近くにあるけれど、週末はウンザリするほど洗濯をしに来る人間でごった返す、冗
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