強い草はどこにでも生える/ホロウ・シカエルボク
あり、だからこそ限界を持っていないように思えた、そして、その認識はいまでもあまり変わってはいない、それはある意味で、俺の真理を捉えた認識だったのだろう、そのまま歳を重ね続けて、いまここに居る、いまは十月で、狂ったように続いた夏がようやく長い息を吐いて居なくなった、やれやれ、ようやく涼しくなるかと思っていたら連日の雨模様だ、我慢出来ないというほどではないが、時々ひどく不愉快な人間が近付いてきたときみたいな気分を呼び起こす湿気に包まれる、窓は閉め切っている、大通りが近いせいで排気ガスまみれになる、古い建物だから、網戸なんていう気の利いたものも設置されてはいない、強い雨が降れば雨は隙間から入り込むのでは
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