ケイヴ/おまる
 
れたものだ。それで、男はというと、動揺して、いきなり指輪を賜わるなどの、頓珍漢な行動をとった。その指輪は、、マキちゃんは渋々受け取ったが、それだけだった。男のマンションを出ていくことにしたが、男には何もいわなかった。「最後の日」は、玄関の前で男と立ち話をして「じゃあ、もう行くね」といって、それっきりだった。



暫くすると、男は突然避けるようになったマキちゃんに激怒して、家に押し掛けてきた。「どうして無視する?それが恋人に対しての態度なのか?」と、男はいって、つめよってきた。「そんなだから、愛されないんだよ」とマキちゃんは毅然と言い放った。貰った指輪はしていなかった。「この、嘘吐きめ!
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