ケイヴ/おまる
眺めたり、揉んだりするのだが、どうにも気乗りしないのである。
このまま性交は不首尾に終わってしまうのではないかという不安が、男の頭に過った。マキちゃんの動きがいっそう激しくなって、男はそのまま、発作的に精液をマキちゃんのなかに漏らした。身を起こすと、男の腹に精がこぼれ落ちた。
「汚い」とマキちゃんは思った。汚いと思ったのは、男の真っ白な、綺麗な色をした精液のせいだった。そう思ったのは、男とその精液の見かけが、かけ離れているような妙な気分になったからだ。すぐにマキちゃんはおしっこをしにトイレにかけこんだ。その音を、男はぼんやりと聞いていた。マキちゃんは、小さな声で「あー、やらなければ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)