ケイヴ/おまる
にマキちゃんの世間のなかにいた。小柄で、非常に美しい人だった。要領がよく、職場の社長にも好かれていた。マキちゃんは素晴らしい日々を過ごしていたのだろう。何よりその肉体には、若さが漲っていて、それだけでマキちゃんは愉快だったはずだ。自然と、薄皮が剥がれていくように、どんな男とも交われる。情愛を感じさせてくれる素敵な男に対しては、純粋になれたし、それだけの器量があった。男との間に生まれる感情をじっと観察していた。時には、男のほうが、マキちゃんにたじろぐことさえあった。
瞳くんはまったく遊びのつもりで、マキちゃんを誘ったのだった。マキちゃんはマキちゃんで、瞳くんの魂胆には気がついていたが、不思議
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