山林/山人
 
体が利かなくなると思い、作業を開始した。
 三日目、午前中は薄い藪を淡々と刈る。同じような斜面を行ったり来たりし、上部へと刈り進むのだが、単調なので時間が経つのが遅い。それでも我慢し、昼少し前に目標地点に到達し、再び下部の中間地点まで下がる。昼飯に適した場所を選定し、自分の荷物のありかを確認するための目印テープを木に巻き付ける。この日の昼飯はドカベンに冷凍飯を解凍したものを詰め込み、茄子の油味噌、タクワン、昆布の煮つけというおかずだったが、早い話が猫まんまのような色どりで、半分食って蓋をした。後は口直しに携行食のジャンボレーズンを口に放り込み甘みを楽しんだ。
 午後からはジャングルのような密藪
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