山林/山人
 
きなのは間違いない。将来は一律シャクガとなるのだが、どんな種なのかは興味すらない。あまり美しい所作なので、枯れた細い棒で美しい所作の彼をつついてみた。するとどうだ。美しい薄緑色の彼はするっと伸びたままの棒状になってしまった。まったく動かない。これはいわゆる擬態というものであろう。僕は生き物はありません、僕はただの緑の棒ですアピールなのであろう。一方の気持ち悪い系の彼は、少し位置を変えてはいたがまだ同じような場所にいた。彼らはこれからどのように活動するのであろうか。興味はあったが、どうにも寒くなってきた。
 遠くで正午を知らせるチャイムが聞こえてきた。このまま、あと一時間じっとしていると寒さで体が
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