接吻/ただのみきや
つだって鬼門
逃げても逃げても カモン! 鬼門! )
男のスマイルからはきっついスメル
彼は自分の中にコンテナいっぱいの不法移民の死体を隠していた
それでも生贄に志願して運動不足のこむらがえりがリンドウより紫で痛い
確信犯の几帳面なノートでの乱取り稽古が黄ばんでいて痛い
マンツーマンで面胴小手したい死体がメタモルフォーゼしてうざい
かまびすしいがひつまぶしはうまい
カマドウマがコオロギみたいに鳴き始めると今度は男が下になり
カマドウマが腰を振った 天井から人形たちの目が星のように潤んでいた
やっとのことで視線を逸らした時 少年は百歳も年をとっていた
すると少女の心臓は金色の獅
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