死兆星/guest
君達は 残念ながら
その夜 落ちてきた星のことを 知らない
その星が 焼き落した
街に どんな花屋があって どんなパン屋があって
朝みたいに 明るく輝いた
影のことも 子供部屋で眠った猫のことも
なんにも 知らない
この星も 星のことを まだ何も知らなかったように
何故 落ちてきたか
何故 昨日まで 何も空から降って来なかったか
私は 神ではないけれど
神であるものの姿を 少しだけ 垣間見ることがある
君達は 残念ながら
その夜 落ちてきた星のことを 覚えていることが出来ない
何故なら その星を見ることは
すなわち 全てが終
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