東小金井『呼び出される男』/北村 守通
きたりにお互いの近況について説明しあった。
彼は実家に戻って、地元の企業に就職しているとのことだった。
私もそうだと答えた。
家族のことについては話題にならなかったので、私が未だ独身であることについては語らずに済んだ。
「それにしてもまぁ。」
喉が渇いてしかたなかった。私はペットボトルのキャップを回しながら問うた。
「よく俺の電話がわかったな。」
「いや、ほんとなんとはなくだったんだけどね・・・」
彼が言うには。
なんとはなく、自室の片づけしていたら、
大学の卒業アルバムが出てきて。懐かしいなぁと思いながらページをぺらぺらとめくっていたら、みんなどうしてい
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