東小金井『呼び出される男』/北村 守通
ているんだろう?と気になり始めた。それで一人一人の名前をパソコンに打ち込んでインターネットで検索してみたら、最初にヒットしたのが私の事務所のホームページだったと。そこにデーン!と携帯電話の番号が載っていたから、試しに電話をかけてみた。と、こういうことだったらしい。
「今は高知なんだって?」
彼の番だった。
「いや、そうなんだよ。結局俺も自分の田舎の方が暮らしやすくってね。もう
かれこれ二十年にはなるのかな。」
もう一口飲んでから、ペットボトルのキャップを閉めた。
「あぁ、けどね。ほんとうにたまたまなんだけれども、俺今日仕事で東京に出
てきてんのよ。」
「え?仕事
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