全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
と思うけど」
(R・C・ウィルスン『時に架ける橋』第二部・8、伊達 奎訳)
絵葉書には『ぼくは今、数知れぬ愛の中を、たった一人で歩いている』と書いてあったが、これはジョニーが片時も離さずに持っているディラン・トマスの詩の一節だった。
(コルタサル『追い求める男』木村榮一訳)
ベルコの足どりには最前ハンマーを持ったときの昂(たか)ぶりが残っていた。
(マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』上巻・13、黒原敏行訳)
眠りというのは、そこから目ざめるときにしか意識できない。
(ナディン・ゴーディマー『末期症状』柴田元幸訳)
ぼくは音声に豊かな霊力があることを信じます。イ
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