全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
 
同時にその書物でもある。
(バリントン・J・ベイリー『光のロボット』13、大森 望訳)

わたしこそがその場所。
(ハーラン・エリスン『鈍刀で殺(や)れ』小梨 直訳)

視覚が暗さに慣れきるには四十五分もかかる。女はそんな知識をいっぱいたくわえている。
(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『おお、わが姉妹よ、光満つるその顔よ!』浅倉久志訳)

誰かが使い方をまちがったからといって、それが使いものにならないとは限らない
(チャイナ・ミエヴィル『クラーケン』上巻・第二部・35、日暮雅通訳)

二十八歳になってもまだ大人じゃないことがわたしを苦しめた。
(イヴァン・ヴィスコチル
[次のページ]
戻る   Point(9)